歩いて世界一周するまでの話

3年後に徒歩のみで世界一周をします。

歩いて京都から東京まで行った話 後編

こんにちは。小野トロです。

更新遅れてごめんなさい。

 

このブログは、3年後に歩いて世界一周の旅に出発し、

帰国後に学校を設立し、

日本の教育を改革し、行く行くはお国までも変えてしまおうぜ、

という若者の、その夢の過程を記録していくものです。

 

さて、前回は、僕が5年前に断行した、

「歩いて京都から東京まで行く」

という旅についてのお話でした。

 

前編では、スタートの京都から、愛知県・静岡に入るまでの話をしました。

 

今回は全旅程の中で最も長かった静岡県、思い出深い箱根路、

そしてゴールでの出来事についてお話ししたいと思います。

 

静岡県

日本地図をイメージしてもらえば理解できると思います。

横に長いです。

規格外のでっかい道は置いといても、新潟、島根、高知など、横に長い県は他にもありますが、

静岡は長かったです。

正確には覚えていませんが、4日か5日は費やしたと思います。

静岡は何より差し入れや声援が1番多い県でした。

それは今でも鮮明に覚えています。

お茶処ということもあって、お茶をいれて持ってきてくれた人。

わざわざ道路脇に車を止めて、水やお菓子をくれた人。

感謝の気持ちは一生忘れません。

 

そして、後に東京に入った際に驚愕する、駅間の距離の差。

静岡は駅間の距離が長い。

東京に着いた時は、「道さえわかれば東京なんて歩いて1日過ごせるやん」と思いました。

 

まとめると、静岡は長かった。そしてみなさん優しかったです。

 

続いて箱根。

前日は静岡県三島市に泊まり、いざ箱根へ。

僕は箱根駅伝ファンなので、もうワクワクが止まりませんでした。

数々の名ランナーが走ったあの箱根を自らの足で歩けるなんて。。。

 

しかし、その期待は良い意味で裏切られることとなりました。

 

往年の名ランナーたちが走った道は、全く通らなかったのです。

 

それは、箱根の険しい登りが始まってすぐのことでした。

そこで出会った女性にかけられた1つの言葉が僕の箱根路の色を変えました。

 

「せっかく歩くんだったら、旧道を歩けば?」

 

おもしろそう。。。

即決しました。

待っていたのは精神年齢5歳児の冒険心くすぐる、

わくわく道ばかり。

江戸時代から残る石畳。

石畳が苔で覆われた猿すべりの坂。

めいがトトロを追いかけて夢中で走ったあのトトロ道のような、道無き道。

激しい流れの川を倒木を橋代わりにして渡ったりしました。

 

なんと言っても、これらがもたらす

「ああ、この自分以外誰もいない空間で滑って転んでしまったら、助からないだろうなあ。」

というスリル。

これが堪らなく気持ち良かったです。

 

それでも死ぬわけにはいかないので、なんとか箱根山頂にたどり着き、

ふと気付きました。

「宿取ってねえ。。。」

「箱根って有名な温泉地で観光地だよな」

「旅館ってバカ高いしそもそも飛び込みなんて無理だろうな」

と途方に暮れていたら、、、

ありました、奇跡的に。

箱根にもゲストハウスが。

これには大歓喜でした。しかも個室。

スウェーデン人の綺麗なお姉さんと仲良くなり、クソ不味い飴をもらって箱根を後にしました。

 

もちろん温泉も入りました。

温泉旅館は泊まると高いですが、日帰り入浴をやっているところは意外と安い。

女将さんに話を聞くと、僕が行った温泉は、毎年中央大学の5区の選手が泊まるそうで、、、

上野選手とか入ったのかな、と思いながら温泉に癒されエネルギーをチャージしました。

 

箱根を下ると小田原へ。

ここからはまさに箱根駅伝の復路、5区〜10区の走路を辿る道程でした。

各地で「ああ、ここがあの中継所か」

とか思いながら通りました。

 

湘南は夜に通過したので海は見れず。

茅ヶ崎でサザンの歌を口ずさみながら。

藤沢を抜けて横浜へ。

 

そして東京。

 

街中を歩いていると、沢山の人に驚かれ、中にはドン引きされてる方もいました。

今までは「頑張れ!」というニュアンスのリアクションだったのが、

東京に入ると

「え?どういうこと?ほんとに?」

というリアクションに変わりました。

 

ゴールの日本橋に近づくと、これまでの道程が思い起こされ、

橋に着いたら泣こう、着いたら泣こう。そう自分に言い聞かせながら歩いていました。

 

ところが、、、

橋に着くと、テレビのロケをやっている様子。

浴衣姿の若い女性たちが取材を受けていました。

まあ俺には関係無いか、と通り過ぎようとしたその時。

 

「そこの君、ちょっと良いですか?」

声をかけられました。

 

その一瞬で溜めていた涙はどこかへ消えました。

 

そのロケは、写真家の方が日本の観光地を巡って色んな人に話を聞き、

写真を撮り、その中からその日ののベストショットを決める、

という主旨の番組のロケでした。

 

旅の説明をし、一通り取材を受けて、ゴールの日本橋で写真を撮ってもらいました。

 

その時点では放送で実際使われるかはわからなかったのですが、

見事その放送回で、僕の写った写真を「本日のベストショット」に選んでいただきました。

 

感動の涙は吹き飛びましたが、ゴールで嬉しいサプライズが待っていました。

これが

その時の写真です。

 

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この旅で得たものは?

旅から帰って、この問いを何度も浴びせられることになるのですが、

特段大きな成果というものはありませんでした。

 

自分探しに行ったわけでも無いので。

 

強いて言うならば、

「誰に頼まれたわけでも無く、さして自分の益にもならないことを、アホみたいにしんどい思いしてやり遂げることの快感」

これが、僕がこの旅で得た成果であり、

その後の僕を「歩き旅」に駆り立てる原動力になっていきました。

 

今回は以上になります。

ご拝読いただきありがとうございました。

 

2019.10.6 小野トロ