なぜ教育なのか 〜僕の目標設定秘話〜 【後編】
こんにちは、小野トロです。
このブログは、3年後に歩いて世界一周の旅に出発し、
帰国後に学校を設立し、
日本の教育を改革し、行く行くはお国までも変えてしまおうぜ、
という若者の、その夢の過程を記録していくものです。
前回は、僕が2017年に何をしていたかについてお話しました。
2016年の1年間の休学期間を経て、
図書館に籠もって読書に耽ったという話をしました。
今回は、実際に何の本を読み、何を学び、それがどう今の夢に繋がったのかについて、お話ししたいと思います。
前回、東北や熊本、これから先起こる災害において、災害に直接的には関連のない(津波に巻き込まれて、崩れた家の下敷きになって、などの防災・減災の及ばない範囲)死者、いわゆる災害関連死を無くしたい、という思いが、熊本に行って芽生えた、という話をしました。
その思いはもちろん復学してからも残っていたので、と言うよりも学業よりそっち優先でした(お母さんごめんね)。
このような動機から、図書館で読む本は災害関連の本ばかりでした。
具体的には、孤独死、孤立死、災害関連死、災害支援、ボランティア、防災、減災。
特に孤独死に関する本は何冊も読みました。
中には災害支援をされていたかたの実録もあり、
実際に被災者が死に至るまでの詳細なレポートは、生々しく、単なる文字の羅列から想像するだけでも、涙してしまうような内容も多くありました。
しかし、当事者は当然もっと辛い。
耐えてページをめくり続けました。
過去に起こった孤独死について学んで、これから起こるかもしれないそれを防ぐのが目的だから。
読んだ本の名前や著者、詳細な内容はここでは省きますが、
これらの本を読んで、1つの疑問が浮かびました。
「これって、被災地だけの問題じゃなくね?」
ふと気付いたんです。
災害はきっかけに過ぎないことに。
もちろん地震や台風は恐ろしいです。
災害で直接被害に遭われて亡くなった方やご遺族の方々には不快に響くかもしれません。
ごめんなさい。
だけど、本当にこの日本から「孤独死」をなくそうと思ったら、
被災地だけに目を向けていては、それは不可能なのでは、と思ったのです。
災害はきっかけに過ぎない。
日本全国、どこにでも眠っている問題が、災害というトリガーによって掘り起こされただけであって、
たまたまそれが阪神淡路や新潟や東北、熊本であっただけのことなのです。
潜在化していた日本社会の問題を、災害が顕在化した、ということです。
もちろん、災害現場の最前線で、傷口に絆創膏を貼り続けることは必要です。そういった支援を続ける人をとても尊敬しています。
しかし、外科手術だけでは問題の根本的解決には至らない。
僕はこの国に内科手術を施したい、そう思っています。
放って置いても必ずまた大震災はやってくる。巨大な台風はやってくる。
防災、減災、そして事後の災害支援だけでなく、
起こった後に人々の絆やコミュニティが引き裂かれ、孤立し、亡くなっていく人の無いような社会を。
そして、災害だけではない。
この問題は時限爆弾です。
2050年には、日本の約4割が1人世帯になると言われています。
高齢者、若者、地方、都市部に関わらず。
誰もが1人で生きていかなければならない時代がやって来ます。
「異臭が漂い虫がたかり、近隣住民の苦情から大家さんが訪ねると、浴槽に腐った死体が浮いていた」
「1人暮らしではあるが、近所付き合いやサークル、周囲と相互に支え合いながら、天寿を全うする」
このどちらかを選ぶ時代がやって来ます。
つまりは、
「孤立死」か「自立死」か。
自立とは何か、という定義については機会を譲るとして、
上記の死に方、どちらか選べと言われたら、
後者を選ぶ人がほとんどと思います。
では、どうすればその「自立死」を実現できるか。
それは、「自立死」できる人を育てるしかない。
その環境を整えるしかない。
ここで初めて、このワードが出てきます。
「教育」
教育が変われば人が変わる。
人が変われば社会は変わる。
何も僕は、自分の信念を押し付けたいわけではないし、
これが正解だ、という答えは持ち合わせていません。
自分の思想に染まった人間を大量生産したいわけではありません。
あえて言うならば、「正解なんて無い」という正解を自分の力で導き出せる人間を育てたい。
ただ、選んで欲しい。
選べる環境を整備したい。
全ての人が自分の人生を選べる世界に。
これは言葉にすると簡単ですが、途方も無いことだと思います。
きっと僕の一生涯だけでは達成できないでしょう。
あきらめています。
でも、僕は、自分1人の人生だけで達成できる夢なんてしょうもないなあと思います。
世代を超えて受け継がれ、いつか叶うようなそんな夢を僕は歩いています。
そうやって次の世代にバトンを渡していくと言う意味でも、
学校を作って教育を変え、国を、世界を変えていく、というアプローチが、
現時点の僕の中では、1番合理的で効率的なやり方だと思い、
「学校を作ろう」
と思い立ったのです。
まとめると、
・災害支援をし、孤立死を無くしたいと思った
・勉強し、それは被災地だけの問題じゃないと気付いた
・国、社会そのものを変えていかないといけないとの考えに至った
・人間の根本である教育から変えていく必要性を感じた
・学校をつくって教育改革をしようと決めた
以上が僕の目標設定に至るまでのプロセスです。
長くなりましたが今回はここまで。
ご拝読ありがとうございました。
小野トロ